トゥクトゥク・モバイルライブラリー - 絵本がトゥクトゥクやってきた!

カンボジアに生まれた子どもたちの「知への欲求」には、いつも驚かされています。この子たちと触れあう機会が少しでもあったなら――本当に、あなたにとっては何気ないことをしたつもりでも――たちまちのうちに子どもたちのキラキラした好奇のまなざしと、「それボクにも・私にもやらせて!」という熱気を浴びることになるでしょう。
と、このように書くと、子どもたちがみんな幼稚園に通っているように思われるかもしれませんね。ですが現実として、幼稚園に通えない子どもの割合はおよそ67%にのぼります。州立の幼稚園で、免許を持った教員から「きちんとした」教育を受けられる子どもたちは、本当にごくわずかなのです。

この状況は、何とか変えていきたい。でも…
当時の私たちは活動の幅が小さく、このままでは手に負えないことが明らかでした。

決断の時でした。
とはいえ、どんな行動も大事業も、最初にやるべきことはすべて同じですよね?
そう。肚をくくって、第一歩を踏み出すんです!

こうしてポーサット州にある6つの幼稚園や保育園で行動を起こした結果、次のことが分かりました。

  • 先生と呼ばれてはいても、幼稚園教員や保育士に相当する資格を持っていない人がいる。
  • お絵かき道具や本、おもちゃなど、就学前教育をするためのリソースが現場に足りない。もしくは、無い。
  • (そのため)国の指導要領はほぼ形骸化している。

つまり先生方は、黒板とチョークがあるだけの教室で、途方に暮れておられたのです。
ここまで分かれば、自分たちにも何かできるはずだ… そう思いながら、まずは幼稚園の図書室をのぞいてみました。

だだっ広く、かなりの費用をかけたであろうその部屋には、本を管理するはずの司書すらいませんでした。

モバイルライブラリーのアイディアが浮かんだのはその時です。これくらいの量の本を、自分たちが6つの幼稚園・保育園へ順番に貸し出せば、

  • 今まで1校にしか行き渡っていなかった本を、買い足すことなく6校で共有できる。
  • 月1ペースくらいで巡回すれば、破れたり汚れたりした本を自分たちで見つけ、修理しながら使い続けられる。
  • 本のラインナップについて、子どもたちからこまめに感想をもらえる。”蔵書”の質的な充実が図れる。

モバイルライブラリーは当初、名前通り本のみの「図書館」でしたが、今後画用紙や文房具などのリソースも増やしていく予定です。この国の教育自体にあれこれ言いたいわけではないので、国の指導要領もしっかりと参考にしつつ、授業用のテキスト等をライブラリーに毎月追加していきます。もちろん、先生方が使うためのテキストです。なぜそうしたものまでお届けするかと言うと、

  • より多くの先生方からフィードバックを得て、この国の文化に合った教材作りのお手伝いをしたいから。
  • もう少し具体的に言うと、フィードバックは6つのコミュニティーに散らばる14名の先生方から頂く予定です。私たちを媒介にして、コミュニティーを超えた先生方のネットワークができ、お互いのアイディアや経験に学ぶ習慣ができればとも思っています。
  • カンボジアの指導要領に基づいた、就学児用の教材作りに使えるフリー素材をオンライン公開する予定です。これを通じてひとりで悩む先生を減らし、授業のレベルアップも図っていただければ幸せです。

そしてこの欲張りなモバイルライブラリーには、子どもたち用のおもちゃも入る予定です。「遊び」を通してこそ子どもたちは、ペンや鉛筆の持ち方など今現在役立つスキルだけでなく、基本的な問題解決能力や、社会性の基盤を育むことができるからです。これは幼い子どもにとって非常に重要なポイントで、将来的に成長する際、大きな助けとなってくれます。

長文をお読みいただきありがとうございます。私たちが移動図書館に込めた想いは以上のとおりです。

2017年から2018年の間、私たちはカルガリー・ダウンタウンのロータリークラブのご支援を受けながら6つの州立幼稚園をまわっています。同時に地元ポーサットの組織であるDDSPをサポートし、障害のある子たちが本に触れられる機会を作るお手伝いをしています。このような活動、そして地元の皆さんへのサポートができるのも、みなさまの温かなご支援があるおかげです。ここまでのストーリーに、もし興味を持っていただけたら、ぜひこのプロジェクトを手伝ってみませんか? 実際に私たちと一緒に動くボランティア活動から、今すぐ気持ちを形にできるオンライン寄付まで、さまざまな窓口をご用意しています。詳細はメニューから「ボランティア」のページをご覧ください。それでは(今度こそ本当に)ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます!